『せりざわ君、君は間違っている。他』
11/3/29~4/3 神保町花月
脚本:押見泰憲(犬の心)
演出:成島秀和(こゆび侍)
出演:ライス/若月/ジャングルポケット/おっちょこちょい
せりざわ君は間違える…が、それはどうでも良い事。
大事なのはもっと他の事じやなかろうか?
ひょっとしたら押見さんがかくものって私初めてみたのかも。終わった瞬間さすがに本人にコノヤロウとは言えなかったので押見さんのファンの子をさがしだしてなんてことしてくれたんだ、と詰め寄りました。
不思議。ストーリーというより、断片。話の筋を思い出せば違うものが見えるだろうか。思い出してみよう。
追記はまるっとネタばれ。これから見に行く人回避推奨。
最初、部屋に一人武山さん。ソファーに座る。パソコンから雑多な音が鳴る。チャンネルがどんどん変わる。ドンドン。部屋の外から叩く音。ドンドン。何度も。そして武山さん、武川こうぞう、は殺される。
音が流れる。たぶん、テレビ番組。クイズ番組。回答者の名前は、せりざわさん。
最初の犯行現場。刑事が二人。かっこつけた上司の太田と、彼に惚れてる部下の徹。ゲイ。
亮ちゃんマン。正義の味方。悪いやつを捕まえに、とびだしてく。そこに通りがかるミニスカートの女の子、っていうか、仁さん……?
また別の場面。暗い部屋に一つ、ソファー。テレビを見ている。せりざわさんが次々不正解する中淡々と正答を積み重ねる関町さん。関田ともひろ。五度大学受験に失敗、両親は離婚、父親の会社は倒産。この世界なんてどうなったっていいんだ。
その部屋に入ってくるさっきのミニスカートの女の子。「おにいちゃん、犬はどこ?」
「なーに言ってんだ、犬なんていないさ。さっさとでていきなさい」
……
「見ての通りうちの親父は気が狂っちまって、自分のことを少女だと思い込んでるんだ」
世界なんてどうなってもいいともひろ。魔方陣をつかって邪悪の神を呼び出す。成功。だけど邪悪の神である斎藤さんと一緒に、お芝居の一番最初に死んだ彼がでてきちゃう。とてもじゃま。邪悪の神の名前はスカルプ。なんでも毛だらけにできちゃう。武山さん追い出して二人は仲良しに。
犯行現場。かっこつけて事件のことを説明する太田。でもあっさり犯人みつかる。亮ちゃんマン。「やだ、こんなすぐ事件解決しちゃうのやだ!」
駄々をこねる太田に愛想を尽かす……徹。
「なんでお前あいつ殺したんだ?」
「あいつは悪い奴だよ、ポイ捨てをしたんだ。悪い奴は倒さなきゃ。ぼくは、正義の味方の亮ちゃんマンだからね!」
仲良しのともひろとスカルプ。世界を真っ黒に、毛だらけに染め上げていく。
一人やさぐれる太田。そこへ通りがかる少女、もとい仁。
「お嬢ちゃん、なにしてんだ?」「犬をさがしてるの」
「お嬢ちゃん、いくつだ?」「八歳!」
「お嬢ちゃん、学校友達たくさんいるか?」「うん、いる!」
「……おっさん」
「……あ?」
正気に返る仁。KAT-TUNから赤西が抜けたくらいでもう自分を見失ったりしない。
息子のもとへ帰らなきゃ。
***
ああ大変だ、ここまで書いてなんにも意味がわからないぞ。
このあと、ともひろと徹の再会、二人の復縁、スカルプの怒り、彼による登場人物全員の殺害、がダダダっと起こる。
太田の上に積み重なるように死んだ仁を見て彼が言った、
「むしろ綺麗だ」、が忘れらんないよ。美しい、だったっけ。
エンディングを経てお芝居は終わっちゃうんだけど、ネガティブすぎるって苦情がとんでくる。そこで、仁が思いつく。
「いいか。せりざわ君は、間違えるんだ」
うって変わったハッピーエンド。
あなたにとってのハッピーは赤いミニスカートに包まれてて良いのかしら。
さてと。
テルニを思い出しつつ関町さんにゾクゾクしつつ押見さんってわけわかんない人だなー。
関町さん主演のお芝居もっともっと見たいなー。またドラマでてくれないかなー
……