コントの要素分解 考察

punch-lineさんが書かれていた、漫才とコントをちょっと要素分解して分析してみようって記事がおもしろかったので、便乗して書いてみたいと思います。
見たまま印象で思ったままを軽く!
 →Punch Line‐漫才をチャート化してみよう
 →Punch Line‐コントをチャート化してみよう(上の続き)

私は上の記事をうけて、コントを要素分解すると、
・設定の現実性
・キャラクター性
・視覚、聴覚効果
・ストーリー性
・アドリブ力
って5つをあげてみたんだけど、なんでそんなん思ったかってことや、お返事を受けて考えたことなどつらつらと。

私がまず「設定の現実性(設定が現実的かあり得ないか)」と「キャラクター性」に着目したのは、以前しずるとフルーツポンチに焦点あてたのが大きくって。
ストーリーとオチは似ているのに、私が違うと感じるのはどうしてかなあと考えたら、その二つにおとしこまれたのでした。
 →過去記事‐青春コント 考察
「設定の現実性」っていうのはもうちょい幅を広げて、舞台設定とかシチュエーションとかって言い換えられるかなあとも思います。
舞台の装置や衣装、小道具なんかを含めて、「舞台上においての演者以外の部分」って総括しちゃいたい気もします。
「視覚・聴覚効果」に含まれるかもなんですが、そっちはまた違う話をしたいんですよねー。

で、「キャラクター性」について考えたのは、この前もちょろっと言ったんだけど、メルヘン倶楽部と御茶ノ水男子が気になったってのが、けっこうあります。
メルラブは『女の子(妖精さんと銘打ってはいるがあれは確実に女の子だろう)』、御茶ノ水男子は『BL小説に出てくる男の子』になりきったコントをやったりするんだけど、当人達の素の感情ではおそらく理解不可能なもの、を演じてるってとこに興味を持って。
「女子の生態」も「BL」も確実に女子視点を意識したお話じゃないですか。
女の子たちが、「これそうそう!」とか「これはちがう!」とか思いながら楽しむっていう。
女装っていうとアームストロングを思い出したりもするんだけど、彼らはやっぱり男子目線の違和感を表現してるよなあというか、万人受けする着眼点だな、と。どこが違うんだか。
でもスマートさがあるよね。なんとなく。
まあそんなこんなとか、コント師さんが20~30代男性を演じてるときと70代女性を演じてるときとでは、明らかに観客に与える影響が違うよなあとかそんなことを思いながら、キャラクター性ってのをあげてみたのでした。
 →御茶ノ水男子 09/5/7 BLコント
 →御茶ノ水男子 09/5/13 アメリカンアンパンマン(おまけ…メダル獲得ネタ)

次に「視覚・聴覚効果」ですが。
もちろん舞台装置とか音響みたいなものは挙げざるをえないよなあ。
ライスのバナナコントでバナナがあんなにでてこなかったらインパクトゼロだし、この前エンタでやってた刑事のコントで拳銃が「バンッ」っていうのはけっこう重要だし。
でもこの拳銃の音に関しては必要ないかも、なんですよ。
しずるの田沼さんのネタ、∞でやってるから音なしなんだけど、ドキッとするから。
 →しずる 09/2/12 田沼さんがころんだ
となると、こういう意味での五感効果は他とまとめちゃってOKかな、と。
じゃあ何が「視覚・聴覚効果」なの?っていうと、私がすごい思い浮かべてたのははんにゃの金田くんです。
彼が面白がられる要因って、「ヘタレキャラ」とか「変なゲーム提案するキャラ」以上に、動きの愉快さが視覚にすごい訴えかけるからじゃないかなあ。
3月AGESAGEでライスがAにあがれて4月ではおっこっちゃったのも、オチがあるうんぬんより、関町さんの動きと、操られてるときの仁さんの動きの面白さゆえじゃないかなと思ってるのですが。
 →ライス 3月AGESAGE
 →ライス 4月AGESAGE
あと聴覚の面白さについてはこちら。
 →ライス 毒入りリスト1
 →ライス 毒入りリスト2

最後に「アドリブ力(客席を巻き込む力?)」、これが難しいところなんですよねー。
コントって劇だからなあってのもあるし。
でもこれに関して私がすごい思い出すのが、4月によしもとライブSHOWを見に行った時のことで。
フルーツポンチのネタの最中、客席で赤ちゃんが「うわーん」って泣いたんですよ。
ほんの一瞬でおさまったんだけど、観客の中には何となく意識が残ってる。
そんなとこで、村上さんが、それまではずっと亘さんに対してふざけた返答するってのやってたんだけど、すきをみて「ウワーン」って泣き声のマネを入れて。
瞬間お客さん大爆笑。
コント師さんってコントの最中はそのお芝居とだけ結びついてるはずなのに、村上さんがアドリブを入れた瞬間、舞台と客席の垣根をこえて、村上さんがむしろお客さん側と結びついちゃったんですよね。
客席との一体感っておもしろさもライブにおいてはやっぱり重要だと思うから、いくらコントだとしても、ここって抜かせない条件なのかなあって思います。
アクシデントが強い、ってのもこんな要素からうまれる?
まあ事故が強いのはアゲアゲだけでM-1では弱いって話もありますが(笑)

いろいろ考えてみたら楽しくって書きすぎました(笑)
punch-lineさん、興味深い視点をありがとうございました!

コメント

  1. punch-line より:

    お茶の水男子とメルヘン倶楽部は確かに気になる存在ですよね。並べて考えると面白そうです。女子(思春期の少女、かつ中学や高校の「生徒」)の客が多い無限大だからこそうけるキャラクターでありネタですよね。ジェンダーやセクシャリティの問題をパロディーとして提示してて興味深いです。
    メルヘン倶楽部はおっしゃるようにアームみたいに男性視点からのネタというよりも、女子からみてあるあるーって言えるパロディで面白いんですよねえ。
    お茶の水男子はあそこまで真っ向からBLに挑んでてすがすがしいです。BLニュアンスのネタは数多くあれど、ここまでストレートなのは珍しいし、すごいですよね。
    メルへン倶楽部もお茶の水男子もいい意味で漫画っぽいなあと思います。
    ちゃんとしたお返事はまた!

  2. kagari より:

    >>punch-lineさん
    ジェンダー、セクシュアリティのパロディとおっしゃいましたが、普段扱うには勉強やら覚悟やらがいる問題を、『笑い』というフィルターを通すことで、簡単に凌駕している(ように見える)ことが面白いなーと思います。
    御茶ノ水男子はめでたく来月もCage残留みたいなので、引き続き着目してきたいですねー。たしかにあれは、すがすがしく見てしまえます(笑)
    漫画っぽい、同感です。しずるの青春コントもよく出来たコメディ漫画に見えるなあ……