2010/6/13 カリカ単独ライブ「魔王コント」 後編

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25秒の休憩を挟み、第二部がスタート。
第一部にも増して捏造大目を許してください。漫才のせりふなんて覚えられません。

しかもオンライン視聴なんか挟んじゃったら、魔王がすっかり逃げてしまいました。
家城章の途中で逃げてしまいました。
すでに感想書いてらっしゃった方のも参考にしつつ、もう死にそうです。

始まるカウントダウン。

25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、いちご、えちご、えちごせいか、えちご、えちぜん、えちご、えちぜんくらげ、えちご、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2……

舞台の中央には、三八マイク。

カリカ単独ライブ「魔王コント」 2010/6/12-13 全3回 スペース・ゼロ 出演:カリカ/その他 終わった後からじわ...

ライブの内容メモ

漫才

「どうもー!カリカです」
「こうやって漫才やるのも2007年のM-1三回戦以来ですね」
「いやああの時は悪夢でしたね」
「まあ頑張っていきましょう」

「さっきのね、第一部に『タイガーバーム』って出てきたじゃないですか」
「そうですね」

「あれのね、テーマパークというか、『タイガーバームガーデン』ってあるらしいんですよ。台湾とシンガポール二箇所に」
「ふーん」

「でも台湾はつぶれちゃった。だからシンガポールもそろそろ危ないんじゃないかって話」「なるほどね」

「それでね、一緒に行きませんか?」
「ん?」
「タイガーバームガーデンに」
「嫌ですよ。知らないんですか?僕基本的に家城さんに興味ないんですよ」

「え」
「はい」

「僕は、林さんに興味ありますよ」
「へー」

「僕はね、たとえ林さんが早くに死んじゃってもね、あなたの遺影を持ってタイガーバームガーデンに行きますよ」
「やめてください」

「きっと僕じゃなくって、写真の中の林さんがここにすごく行きたがってたんだ、って思われるでしょうね」
「やめてください」

「いいじゃないの、子どもたちが大きくなってから老後にでも、二人で一緒に行きましょうよ」
「うーん……」

「家城さん、そんな話はやめましょう。違う話しましょう」
「違う話?」
「はい。しましょう」

「じゃあ、あの林さん。聞きたいんですけど、パンツ持ってるおじさんって変態ですか?」
「パンツ?」

「そうです、持ってるだけ」
「……微妙ですね」

「じゃあパンツかぶってるおじさんは?」
「変態です」
「じゃあパンツかぶって踊ってるおじさん」
「変態です」

「でもね、そのおじさんは踊りを見せたくてしょうがないんですよ」
「ならパンツかぶるのをやめればいいだけです」
「そうですか……」

「って変態の話になっちゃった。違う話しましょう、子ども子ども」
「子ども?」
「そうです。子ども躾けるのは大変ですよね」

「そうですね。子どもはすぐ悪いことしたり」
「犬拾ってきたり」

「ちゃんとしつけなきゃいけませんよね」
「犬拾ってきたり」

「……林さん、犬拾いすぎじゃありません?」
「そうですね。犬拾ってきたり。家城さん、だってあなたちゃんと対処できますか?」
「できますよ」

「じゃあ、『お父さん、犬飼ってもいい?』」
「『だめだだめだそんなもんは食えん!食えるもんを拾って来い!』」
「……家城さん、そんなんじゃダメですよ」

「『九州産の黒豚を拾ってこい!』」
「そんな高級食材……」

……
ぶつぶつしゃべりながら舞台袖に消えていく家城。
その姿を見て、なぜかうれしそうに三八マイクを持って逆サイドにはけていく林。
堂々とした風格で再度舞台に登場する。

「ただいまー」

舞台袖から声が聞こえ、帽子をかぶり小学生の格好をした家城が現れる。

「おかえりなさい。あれ?お前?何か隠してないか?」

林は、家城が後ろ手に隠し持っている長めの木の棒に気づく。

「お父さん、これ……飼ってもいい?」

家城、棒を掲げ持つ。

「ダメだ。捨てて来い」

林、すげなく返す。

「僕ちゃんと飼う。ちゃんと振り回すよ」
「ダメだ、そう言ってるのは今だけだ。お前はすぐに振り回さなくなるよ」

家城、棒をぶんぶん振り回す。

「僕ちゃんとするよ」

「じゃあお前、磨けるか?」
「僕、磨く」

「お前、立てかけられるか?」
「僕、部屋の隅とかちゃんと立てかける」

悩む林。

「うーん、ダメだ」

押し問答を繰り返す二人。しつこく飼いたいと繰り返す家城。
林がぷつん、と切れた。

パァン。

銃声が、響いた。
棒を持ったまま息絶える家城。

「ありがとうございました!!」

明るく笑顔で、漫才、終了。

林の部屋

BGMは徹子の部屋。音声が流れ出す。

「こんにちは、林の部屋へようこそ。今日のゲストはこの方です」

舞台の真ん中には、一人の男。

こんにちは、お名前は?
-コッセこういちです。

本名は?
-こせこういち、です

職業は?
-俳優をやらせていただいてます。

今までに出演した作品を教えてください。
-はちみつとクローバー、GOEMON、重力ピエロ。あと単発ですが、猟奇的な彼女、世にも奇妙な物語、新参者、です。

はちみつとクローバーでの台詞を教えてください。
-ありません。

新参者では、台詞ありましたか?
-はい。

お願いします。
-はい。

(長台詞をいおうとするが噛んでしまう、恥ずかしそうにして言い直す)

ありがとうございました。

(コッセ恥ずかしそうにうつむく)

最後に、コッセさんは踊れるそうですが、踊っていただけますか?
-はい。

(後ろを向き準備をするコッセ。音楽がかかりだすと彼は前を向いて踊りだす。頭には女性物のパンティをかぶっている。パンティに隠れて顔は見えない。)

(コッセは踊り続ける。途中で黒服の男がやってきて彼を取り押さえる。コッセは踊りながら舞台袖まで引きずり出される。)

暗転。

コント:不動産屋

(舞台の端に、パンティをかぶったコッセが一瞬映る。彼を引きずりだしてから、舞台上に林が帰ってくる)

「あ、見られちゃいました?」

林、てへっと笑う。

場所は不動産屋。店主の林がうろうろしていると、客がやってくる。
客は、浮浪者じみた家城。

「部屋を借りたいんだがねえ」
「はいどうぞどうぞ」

「この町が気に入ってしまってねえ」
「オフィス街ですが夜は静かですもんね」

「腰が、痛くてねえ」
「若くみえるのにずいぶん老人じみていらっしゃるんですね」

「身体の内側だけ老ける病気でねえ……」
「これは、失礼、しました」

どこか遠くで、家畜の鳴き声がした。

「椅子に、座らせてくれんかねえ」
「どうぞどうぞ」

「目が、見えなくてねえ」
「これは、すみませんでした」

「死んでくれないかねえ」
「うわっ、ずいぶん優しい語調でとても怒られた」

また遠くで、牛の鳴き声が、した。

「部屋を借りたいんだがねえ」
「それでは、口頭で、説明させていただきますね」

「(食い気味に)バルコニー狭いのやだ!!」
「お前見えるんじゃねえか!!」

林、切れる。

「嘘には二つの嘘がある。ついてもいい嘘と、ついちゃいけ」
「今のはついちゃいけない方の嘘だったでしょう」

林、とうとう切り出す。

「あの、家城さん。あなた電車できましたか?」
「違います」

「じゃあ歩いてきましたか?」
「違います。牛に乗ってきました」
「やっぱり!!」

ずいぶん近くでたくさんの牛がモウモウと鳴いている。

「……一頭じゃありませんね」
「九頭です」

林、頭をかかえる。

家城は椅子を立ち上がり、歩き出す。
部屋の隅まで行くと、ぞろぞろと黒子があらわれる。全部で、八人。
黒子は家城の後ろで隊列を組む。そして家城に続いて台詞を復唱する。

「部屋をー借りたいのです!」
「「借りたいのです!!」」

「駅からー」
「「三分!!」」

「オーシャン」
「「ビュー!!」

「風呂、トイレ、」
「「別!!」

林は途方にくれる。

「……家城さん、それ誰なんですか?」
「それって誰ですか?僕は一人ですよ?」

長々と続くそれらに、林、ついにイライラを抑えきれなくなる。
懐から鉄砲を取り出す。

パァン パァン
パン パァン

黒子、倒れる。家城も倒れる。
林は舞台上から逃げ出す。

暗転。

VTR上映:タイガーバームガーデン

成田空港、背中に水色のリュックをせおった家城。満面の笑み。

「行ってきまーす!」

飛行機が飛び立つ。
機内、家城の膝上には、まるで遺影のような林の写真。

「到着ーしまーしたー!!」

奇妙に色とりどりのオブジェの前でにやにやと笑う家城。

「タイガーバームガーデンです。異様、です」

奇妙で不思議な、存在感。

園内を回る家城。置いてあるオブジェはどれも不思議なものばかり。

「こんなに威厳のない仏像、見たことあります?」
「龍にこんなポーズさせてもいいんですか?」
「いいときの高樹沙耶みたいな顔してますね」
「ここにきての吉田戦車みたいなタッチ!!」
「笑う仏陀、って書いてありますけど、これ日本でいうところのブッダじゃないです」

「これこそがおそらく、僕が去年の九月から追い求めてきたタイガーバームのメインキャラクターだと思うんですけど。……このかわいくなさ!!!」

家城は連れてきた林の遺影をあちこちに飾る。

苔むした、タイガーバームガーデン、イン、シンガポール。

幕間:卓球

BGMはパフューム。
舞台上から大量のピンポン玉を客席に打ち込む家城。

コント:床屋

とある床屋の女店主(家城)。店内をうろうろと歩き回っている。すると、客がくる。
やってきた客は首に大量のネクタイをぶらさげている。
客は「手入れしてくれ」と投げやりにいい、一つだけある椅子にどっかと座る。

「もうー、すっかり伸びちゃってえ」

店主は間延びした声でしゃべる。

「なんだよ」
「あなた、本当にお下品ね。あなたのお下品の分だけ伸びてるんだわあ」

ネクタイの先端をチョキチョキと鋏でついばむ。

「もう、そんなんじゃないよ」
「……このお下品は、いつの夜のお下品かしら」

チョキン。客はもぞもぞと頭をふる。

「かゆくてかゆくてしょうがないんだ。頼むよ」
「んもう」

頼まれたお下品婦人はピンセットを手に取り、作業を始めた。
ネクタイをかきわけ付け根をつまんでは、そのピンセットを口元へ、運ぶ。

「それ、どんな食感なの?」
「んー、海ぶどう?」

お下品婦人は、言葉の「お下品」な響きを追求し始める。

「お海ぶどう」
「いいって」
「うみお……ぶどう?」
「もういいって!!僕はあなたを抱かないよ!!」

客は、ゆっくりと、語りだす。

「ネクタイがどんどん増えていく。もうどうしたらいいのか、わからない」

お下品婦人は答える。

「しょうがないじゃない。子どもを拾って殺して、不動産屋で殺して、あなたが殺した数だけネクタイが増えてくんだからあ」
「僕はどうしたらいいんだろう」

お下品婦人は、答える。

「私はお下品により成長する。でもあなたは違う。あなたは人を殺して、その快楽と罪悪感の狭間の葛藤により成長するのよ」

「僕には魔王を倒す資格なんてない」

すでに魔王の部下のナンバー5にまで上り詰めた林景荘。

「資格が必要なことなんて、この世の中に何もないのよ」

答えるお下品婦人。

「あなたが僕をこんなに強くさせたんだ」
「……私を倒して、力を手に入れなさい」

ぼくはもうみぢかなひとをころしたくはない

-ねえ、お下品婦人。僕はあなたを愛していた

-……知ってたわ

そして二人の戦いが始まる。
サディズム、微振動、そして演歌。
最後に繰り出した必殺技。倒れる、お下品婦人。

-たとえ どんなに うらんでいても おれには おまえが さいごのおんな

-ほんとうは 「おきれい」、と いわれたかった

幕間:まおうとりんけいそう

三途の川再び。まおう(デッカチャン)とりんけいそう(コッセこういち)。

「……りんけいそう」

まおうが彼に呼びかける。

「はい」
「お前は死んだ」
「はい」

「もしお前がまおうの手下となり、人間を苦しめ虐殺することに協力するというのならば、お前を生き返らせてやろう」

りんけいそうは躊躇いもせずに答えた。

「はい、まおう様。よろしくお願いします」

「もう『様』付け?……入り込んでくるなあ」

まおうは戸惑う。りんけいそうは尋ねる。

「でも、まおう様。どうして僕を助けてくれたんですか?」

まおうは答える。

-衣服を盗み、乗せられて村を出て、友を裏切り、女を殺して剣を手にし、川で騙され命をおとす……
-お前は魔族にふさわしい才能を持っているんだよ

りんけいそうはケラケラと笑う。

「あはあ、そう言われてみると、僕はとても最低な人間ですね!魔王様、これからはあなた様の手下として、人間どもを苦しめるために尽力すると誓います!」

第846章「初めての魔王の間」

魔王の部屋。中央にはホワイトボード。
手下の名前がずらり。だんとつに成績優秀な、林景荘。

「魔王様、失礼します!」

外から声がきこえ、林景荘が入ってきた。
それまでのスーツを脱ぎ捨て、スラム街での着物姿に、大量のネクタイ。

「かお、あらってたー」

かわいらしい声で言いながら部屋に入ってきたのは、魔王。
ぎょっとする林景荘。
魔王は林景荘の前で、そのコスチュームを脱ぎ捨てる。
頭飾りを取り外し、コートを脱ぎ、厚底の靴を脱ぐ。

「やだ、ネイルはがれちゃってるー」

戸惑う林景荘。

「あ、あの、本当はそんな感じなんですね……」

魔王は高く響く声で尋ねる。

「林ちゃん、ころしにきたの?」

固まる、林景荘。

「三途の川から十三年、林ちゃんもついにナンバー2だもんなあ……」

魔王は林景荘に飲み物をすすめる。

「林ちゃんのナンバー2就任を祝って、かんぱーい!アルコールじゃなくてごめんね」

林景荘は部屋の壁に目を留める。

「あれは……?」

  • 今月目標殺戮数:54万人、現在達成数:8万人
  • 浅田魔王、KILLヨナ
  • 虐殺
  • 急がば殺せ

四枚の、貼り紙。

「うーん、はっとかないと、忘れちゃうんだあ」

魔王は、語る。
タイガーバームの神が本業であったこと、魔王は上の神様に頼まれてやっていること、魔王の仕事はもう疲れてしまったこと。

「魔王の存在意義って、なんですか……?」

林景荘はおそるおそる尋ねる。

「逆だよ。存在意義があったから、魔王が生まれたんだよ」
「『意義』って何ですか?」

「人間を守ること、だよ」

林景荘は途方に、くれる。

「……嘘だ!魔王は人を殺すじゃないか!僕の両親だって魔王の部下に殺された!魔王さえいなければ、世界は平和になるんだ!」

「違うよ、逆なんだよ。魔王がいなかったら関係ない人がもっとたくさん、死ぬ。魔王が生まれる前、世界には戦争があふれていたんだ」

「嘘だ、違う、ちがう」

「だって林ちゃんだってそうじゃない!身近な人を殺しながら、殺しながら守ってたじゃない!!」

「……魔王様、じゃあ、あの時」

「林ちゃんが、タイガーバームを手に入れたとき。」

-林ちゃんが「魔王を殺してくれ」と願っていたら、そうなっていたよ

「それがルールだからね!よかったね、林ちゃん!林ちゃんが願わなかったおかげで人類は滅びずにすんだんだよ!よっ、ラッキーボーイ!!」

「……部屋に、戻ります」

第884章「あなたは魔王を殺せますか?」

自問自答する林景荘。
彼は伝説の剣、「初期衝動を呼び起こす」伝説の剣カリカを手に取る。

「人を殺す魔王は殺す。それが当たり前のことだ。

必要悪など認めていれば、人は進化などできないのだ!」
魔王の部屋へと再び向かう、林景荘。

しかしそこで彼が目にしたものは。魔王の、

死体。

-体力の限界
-気力もなくなり
-自殺することとなりました

-私の仕事の全てを林景荘に託します
-人を殺してもひとり
-我が生涯にいっぺんの笑みなし
-殺しても殺しても楽にならざる
-そういうものに私はナリタイ

-我が魔王軍は永遠に不滅です

-なんだっていいじゃない、だって神様だもの

林景荘の元に続々と集まる、魔王の部下。

「林景荘さま!」
「魔王様なき今、あなた様がナンバー1です」
「どうなさるのですか」

-……すべて、引き受けよう

-魔王も、タイガーバームも全て、引き受けよう!!!

終章

新魔王となった林景荘。
彼はタイガーバームを七つ集めた勇者に召還される。

「お前の願いを言ってみろ」

「えー?まじー、魔王死んでほしいしー!」

「ばびょーん!」

エンディング

出演者が全員登場、礼のみしてはける。

暗転のちカリカの二人だけ再び登場、演歌とラップの融合歌をうたう。

-人は誰でもみな魔王 僕の愛した浅田魔王 ひゅるりひゅるりらら サラリーマン

-上から読んでもカリカ 下から読んでももちろんカリカ

-林克治という変態 家城啓之という妖怪

-ワールドリーダーは悪いリーダー

-魔王魔王魔王魔王!!!

魔王魔王魔王魔王!!!

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