カリカ単独ライブ『オリコント~オリオリオリオ~』改め『日本にっぽんコント~人間は爆発だ~』
11/6/25,26 銀座博品館劇場
出演:カリカ/その他
私にとっては三度目のカリカ単独ライブ。
単独以外にもちょこちょこカリカやら家城さんやら見に行って、少しずつカリカがつかめたかなあと思ってはいたんだけど、だから今回の単独に関してもある程度心の準備はしてたんだけど、そんなんじゃ甘い甘いと思い知らされてしまったこのライブだった。
家城さんは私が思ってたよりもずっとずっとシンプルでストレートで、なのに、それを他人に通じる形で、他人にどこまでも考えさせる起爆剤みたいなものとして、表すことのできる人だった。
いろいろと、印象的な二日間でした。
最初、舞台の中央に、大きな檻。
「檻」をテーマにした単独をやる、というのはもう一年も前から言われていたことなので、まずはテーマを崩さずライブが始まったことに安堵。
でもデッカチャンがでてきて、家城さんがでてきて、林さんが次々でてきて。
一区切りついたところで、まさかのエンドロール。オリコント、終わっちゃった。
「どうも~カリカです」
「ちょっと、いくらなんでも終わるの早すぎません?」(林)
「うん。オリコントよりも、やりたいことができた。」(家城)
あの日、地球が寝返りをうって、日本はゆれました。
変化がおき、変化がひずみを生み、ひずみがだんだん大きくなりました。
そのひずみから……たくさんの、
ビー玉、が零れ落ちました。
『日本にっぽんコント~人間は爆発だ~』
・「それゆけ救援物資」
・「上を向いて歩こうはいい歌」
・幸せなら手を叩こう
・「ハイプレッシャー募金箱」
・不謹慎おじさん、こんなときだからこそ
・「風評被害の始まるところ」
・サラリーマンと芸術家
・「檻、買い占め、発電坊や」
・海、そしてダンス
・「ぺペイ共和国の嘘」
・マンボウの話
・「二十年後のババアはみんなゲスい」
・最後のコント、そして漫才
タイトル書き出しみてもわかるとおりのテーマだった。
始まったときは心がぎゅうぎゅうして、来たのを後悔、というか心づもりをしなかった自分をほんとに反省した。だけど、林さんがちゃんとカリカにおさめてくれた。おもしろかったし、たのしかった。
それぞれのコントがそれぞれの面白さを持ってて、たとえばヘルメットを頭にちょこんと乗せてる林さんとか、和田アキ子のクオリティとか、カリカをものすごい勢いで罵倒したおすオコチャさんとか、よどみない林MCによるベッキー5連発とか、風評きよしと風評ファイブだとか、家城さんに辛いもの食べさせて水隠しちゃうどえす仕様の林さんだとか、会社で表彰されたパパの「たしカニ」とか、マンボウの儚い生き方とか、「ペペイ!」とか、とおりゃんせとかあれだとかこれだとか。
全部、これからしばらく、もしかしたらずっと、思い出すんだとおもう。
そこに例えばカリカというコンビのあり方みたいなものも乗っかってきて、「家城は旬を取り入れるな」とか、最終公演の一番最後の「俺はとうぶん死なない」宣言だとか、全部ひっくるめた思い出になっていくんだろうなあ。
自分の感じたことを表現するという作業は、それこそ芸術家でも芸人さんでなくても誰もが日常行っていることだと思うんだけど、家城さんのそのやり方は面白いなと思った。
彼はきっと内臓がパイプみたいに一直線なんだろう。普通の人はそのパイプを通すときに消化して昇華する作業があるのに、彼の場合は拾い集めた宝物みたいなガラクタをごてごてくっつけちゃう。あんなにゴテゴテに飾り立てられてるのにど直球でどストレートなものがシンプルに伝わってくるのは、そういうとこなんだと思う。