アームちゃんに寄せて

オリエリタリ

アームストロングを初めてライブで見たのは、2009年の4月、今は無きAGEAGEライブでのことだった。
ピラミッドの頂点である毎月10組しか選ばれないAage芸人として、チーモンチョーチュウと競い合っていた。
当時すでにチーモンチョーチュウのファンだった私は、彼らを見にこのライブを見に来てたようなものだけれど、そんな思いを数倍にして返してくれるかのようにアームストロングは面白かった。
チーモンと競い合ってる、同期の、強くて面白い二人。絶対的な安定感。
なんとなく、その時初めて感じたそんなイメージは、頭の中にずっとあったんだと思う。
面白そうだなと思って、芸人さんを題材に替え歌を作って動画をあげていたことがあった。
特に追いかけていたこともなかったのに、アームストロングの歌詞はすらすら出てきた。
すっと思いついたそのままを曲にのせると、それはほんとに小さい小さいコミュニティの中でのことだけれど、彼らの部分は反響がものすごかった。改めて、人気者の二人なんだなあって思った。
みんなを幸せにする人気者たちだなって思った。みんなアームストロングのことをおしゃべりするときは笑顔だ。
そのことを最近思い出して、久しぶりに自分で作った動画を眺めていた。
その翌日だった。ツイッターで彼らが解散するということを知った。
みんなみんないなくなっちゃうなあって思う。
カリカが無くなったときにすっぽり空いた穴はあれから一度も埋まることがない。
その分、ショックも感じない。
私は、もう誰が解散しても同じような感じだろうなって思う。
新しく面白い人を探そうとはせずに、どんどん減ってくばっかりだろうなって思う。
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2014年のひなまつりの日に、こんな下書きを残していた。
その翌月、アームストロングが解散すると知ってのことだった。
なんとなくタイミングを逃して、アップはせずにいた。ただ、ずっと頭の片隅にあった。
今日、また一組の解散を知った。
エリートヤンキーは、コンビ名も「正と負」とか「陰と陽」みたいに正反対なものの組み合わせだけれど、実際の二人も(ありすぎる身長差だけでなく)そんな両極端の組み合わせだった。
そんな二人が、しかしトークや漫才となると、ポンポンポンっと軽快に巧妙な空気を、物語を形成するのだ。
そのテンポが心地よくてよく見に行っていた。面白かった、楽しかった。
解散と聞いて、ショックだな、と思った。
最近多く言われるように「あとから残念だなんていくらでも言える」、のかもしれない。
でもさびしいのだ。
次は私たち(の一番好きな彼ら)かもしれない、と思うと怖いのだ。
ロシアンルーレットの気分にも似ている。
当たりの引き金を引くのは、伝えきれなかった、応援しきれなかった、私たち。
ただ、そんなネガティブなことを思いつつも、アームちゃんについて書いたときよりは、今はなんとなく、少しだけ明るい気分だな、と思った。
新しく面白い人、探してはいないけれど、安村さんのネタは心底面白いし、「安心してください」とドヤ顔で言ってもらいたくてしょうがない。
賞レースをテレビで見れば、そのたび大笑いしている。
カリカが空けた穴、まだ埋まっていないけれど、存在を思い出すのはごくわずかのとき。
それよりは、今面白い人たちを、ライブ会場に見に行きたいと思う。
笑いたい。
いつまでも下書きに残っていた感情。供養したいと思いつつ、きっかけがわからずにいた。
なんとなく、今日かなと思って、上げてみる。