オリエンタルラジオ単独ライブ「お楽しみ会」
2014/2/9 14:00~/18:00~ 新宿シアターモリエール
出演:オリエンタルラジオ/[ゲスト]久嬢由起子/FISHBOY/etc
お楽しみ会、ほんとにタイトルどおりめいっぱい楽しみました……!
昼公演も夜公演も2時間40分という白熱っぷりで。
演じてた二人はもちろんだけど、手を叩いて笑ってるだけのこちらも相当つかれたよ!
大満足の疲労感です。
昼も夜も終わった瞬間に二人、「楽しかったあ~!」って叫んで。
それがとっても良かったです。
いいライブって「おもしろかった」とか「楽しかった」とか「幸せだった」とかいろいろあるけど、そういうの聞くとたちまち幸せになれちゃうよね。
もちろんその前の二つは十分満たされちゃってるし。
つくづく、いいライブでした。
全編、コントとVTRでした。漫才は一本もなし。
DVDにはならないということだったので(見ながら「こりゃ無理だな」とは思っていたけどほんとにそうらしい)、オチ明かしとかそういうことはなるべくしないように、内容に触れたいと思います。ちなみにタイトルっぽいのはてきとうです。雰囲気もてきとうです、すいません。
というわけで、以下、各自ご了承とご判断のうえご覧ください。
ライブの内容
1 オープニング「前説藤森とカリスマ」
もはやファンにはおなじみ、カリスマのネタでライブはスタート。
もうこれは内容もへったくれもない、Youtubeでもなんでもみて、度胆抜かれてください。
大丈夫、あっちゃんも「今ならYoutubeで『オリラジ』で検索したら一番上でてくるから見て!」とか言ってました。
2 オープニングVTR「単独タイトルを決めよう」
単独タイトルを決める会議に臨むにあたって、いつものように100案を考えその中から厳選した3つを持ってきたあっちゃん。
- 案1 ONE MORE TIME
- 案2 HEAVEN
- 案3 G.O.D
案3のピリオドの意味まで含めた懇切丁寧なプレゼンを終え、いざどれにしようか決定の瞬間。
その時、慎吾は……!?
「あっちゃんプレゼン→慎吾つまんなそう」の構図は、もうトークライブ常連のファンならそれだけでパブロフの犬みたいに笑っちゃいます。残念なことに。
3 コント1「クイズ リスク&リターン」
ミリオネア風クイズ番組の司会者あっちゃんと挑戦者慎吾。
長野県出身のおちゃらけた大学生は、数万人の応募を勝ち抜き、視聴率30%を超えるこのクイズに挑戦する権利を得た。
「ご存知のとおり、このクイズでは正解すると、3つの願いをかなえてもらえます。ただし、願い一つにつき『それ相応のリスク』を背負ってもらいます。
それでは藤森さん、一つ目の願いをお願いします。コール ザ、リターン!!!」
「……『アイドルのSさんとデートする権利』をお願いします」
「わかりました。それでは、それに相応するリスクを、コンピュータにはじき出してもらいましょう。藤森さんは、もしクイズに不正解ですと、このリスクを負ってもらいます。
それでは。ワッツ ザ、リスク!!??」
……さて、藤森の運命やいかに!!??
いやあこれはもう、こうくるだろうなってのはわかるんだよ。あっちゃんだし。
でもね、もう慎吾くんのリアクションもさることながら、二人の顔芸もそうだし、何より、ステージに収まりきらない臨場感ね!
こういうの取り入れてきたか!とね!!!
もう、非常に、わくわくしました。
4 VTR2「中田、『寿司よろしくでぇす』に行く」
なんか店名若干ちがってる気がするのは置いといて、タイトルのとおり。
藤森慎吾プロデュース(小金欲しさに引き受けた)この店の新橋店がつぶれたのは聞いてたけど、そうすると最寄りが横須賀中央になるとは……。
文字で読んでもおもしろそうなVTRだと思いました。
5 コント2「高校球児」
夏のセンバツ、盛り上がる応援席、緊迫するマウンド。
バッターボックスに立つ中田は、ちょっとした違和感を覚えていた。
「……いつもより、応援がうるさい」
タイムを申し出て、スタンドに目をやる中田。
と、彼は首をかしげた。
「あんな奴、うちの学校にいたか……?」
もう、ほんとに慎吾くんがイケメン?のコントです。ほんとあんなにできる子なんだよ……!みんなもっと気づいてあげて!
……といいつつ、昼の部は過呼吸で死なないかとほんと心配になりましたが!
ラストが美しい。こういうオチもいいじゃないか、と。
6 VTR3「仕事ハッケン伝 藤森慎吾の回」
実写化したら?とは思わないけど、慎吾くんがあんなふうに痛めつけられるのは、けっこうお好みだという方も多いのではないでしょうか。でも基本的にはゲス慎吾。
なんたって、「ブラック企業×藤森慎吾」、だもんね。
7 コント3「どうぶつクン」
近所の公園に遊びに来た、動物好きの少年慎吾。
なんだか今日は催し物の日らしく、看板には、動物学者兼タレントの「どうぶつクン」が動物雑学を教えてくれるイベントを行うと書いてある。
「楽しそうだなあ!見てみよう」
無邪気に待つ慎吾のもとにどうぶつクンは現れ、そしてイベントも始まった。
しかし、登場する動物たちはどれもこれも、どうにも奇妙な姿かたちをしていて……!?
もう、単純に発想がすごい好きだし、それだけじゃなくて最後のオチでは「あれ、自分が今思ってることって、ひょっとしてただの『思い込み』にすぎないのかも?」みたいな哲学的な気持ちにもさせてくれるコントだった。言いすぎか。
そして「プラナリアごっこ」、好きです。
8 VTR4「マトリョーシカを作ろう」
今回のライブのポスターで二人が持っているのは、なんと自ら色を塗ったマトリョーシカ。
それの制作過程を大公開。
ちなみに現物は、おひとつ1万円の大特価で販売いたします!(うれました)
9 コント4「めんめけ」
田舎育ちの藤森。今日は年一の実家に帰る日だが、なぜか今年は会社の先輩の中田が一緒である。
「藤森、ありがとうな。俺、東京生まれの東京育ちだから、『田舎』っていうのに憧れてたんだ」
「全然かまいませんけど、俺んち、予想以上に田舎っすよ?」
「そうなの?例えば、どんな風に?」
「そうっすねえ……あの、『カトーマリショ』っていう祭りがあるんすけど」
「は、『加藤まりこ』?」
これ、あっちゃんの方が巻き込まれてく、っていう、希少な設定でした。
離島ロケ生きてるな~という感じで。
カトーマリショ、ルイゴンダル、めんめけ、ちょっと忘れたくない響きです。
そしてラストのおそろしさ、あれを出せるならわたしどこまでもついていく……!!!
10 VTR5「恋するフォーチュンクッキー」
懐かしの合いの手でございます。あつんも参加。
これもっといろんなのみたい!
11 コント5「消える」
自宅の部屋でゲームをしている慎吾。
風呂に入ろうかと思い、立ち上がろうとすると、妙な姿勢で金縛りにかかってしまう。
流れ出すミュージック、視界を横切る白い人物、そして、慎吾はその人物のなすがままに……!
やあ、もう、人の悪口だいすきだねきみたち!って感じで、あっさりと面白かったです!
12 VTR6「慎吾とデート」
あの、こっぱずかしすぎて、見てられなかった……
せきまちさんを非常に召喚したかった、大笑いしたかったとだけお伝えしておきます。
13 コント6「シンホー先生」
映画制作会社勤務の中田は困惑していた。
「なぜ、このマンガを原作に……」
とはいえ、今日は制作発表会。彼が話さなければ始まらない。もう記者も集まっている。
「……わたくしも非常に混乱しております。というわけで、映画化の経緯について、直接原作者ご本人にお聞かせねがいたいと思います。……先生、お願いします」
登場し、すかさず一発下ネタをぶちかましてとうとうと語りだす、60歳現役エロ漫画家のシンホー先生でございます!
……ノーコメント。
14 VTR7「そして中田、父になる」
これもこっぱずかしい系かと思ったら、良い意味で裏切られたね!
15 コント7「転校生、滝沢廉太郎」
「ねえ転校生!」
藤森慎吾は高校からの帰り道で、その日クラスに転入してきた少年を見つけて呼びかけた。
彼は振り返る。
「転校生と呼ぶんじゃない。私にはちゃんとした名前があるのだよ。それに、この忙しいときに、受験にも関係ない君との話に割く時間などない。もう金輪際話しかけないでくれないか」
「なんだよー……」
いきなりまくしたてる、失礼極まりない転校生の口調に、しかし藤森はめげなかった。
「お前、おもしろいやつだな。友達になろうぜ」
「私に友達はいらない」
「カラオケ行こうぜ」
「行かない」
……それでも藤森はめげなかった。そして、見てしまったのだ。
その転校生、滝沢廉太郎が「恋に落ちる」瞬間を。
これは、ほんとによかった。
まるで「オリエンタルラジオ」のパラレル小説を読んでいるかのような世界観と登場人物と、そして最後のパフォーマンス!!
コントも好き、漫才もトークも好き。
だけど、こういうのやってくれないとオリラジじゃないよね!……そんな風に思っちゃうくらいのすてきな歌とダンスでした!
ライブの感想
もうね、「『あ、俺たち漫才じゃなかった』って気づいちゃったの」、と敦彦氏が語るのはそりゃ聞いてはいましたが、だからといって単独ライブで一本も漫才やらないとは思わなんだよ!
……そんな意外感も満載の「お楽しみ会」でした。
一日明けた今でも、やっぱり楽しかったな。
いろんなネタがありました。
「新」定番ネタあり、純粋なコントあり、歌とダンスももちろん出てきて、VTRもおふざけから作り込み型からただのギャグまで振り幅いっぱいだし、エログロナンセンスな要素も随所に、存分に発揮されておりました。
二人の衣装だけでも、とっても楽しくってね。
あっちゃんだったら、クイズの司会者、高校球児、かぶりもの、全身白い何か、敏腕メガネ、ブレザー高校生。
慎吾くんは、長ランの応援団長、半ズボン少年、還暦を迎えた現役エロ漫画家に、同じくブレザー高校生。
どなたかも仰ってたけど、今まで「夢見沢先輩のキャラしかやりたくない!あれがやりたい!あれがやりたいから俺コントやる!」と言ってたあっちゃんが、ほんとに色んなキャラクターに挑戦していて、なんつーか「芸人」になったなーなんて……。って、どこから目線なんだよって話ですが。
修士さんとのライブでも、あの子さかんにあのキャラやりたがってたよ、ねー、ママン。
……でね、ブレザーで踊るのさすがにかっこよかったよ!かっこよくないわけないよ!大人げなくキャーとか思っちゃったよ。
ところで、今回コントがとっても多かったわけで、コント好きとしてはすごい思うところがあったんですが、それについて少しだけ語らせてください……。
「面白いコント」っていうと、きっとそりゃいっぱい種類があるとは思うんですが、その中でも、「よくこういうの思いつくなあ!」とか、「この設定からどう笑いをひねり出すの?」って感じに、まず設定への関心から面白さが始まるコントっていうのが系統として一つあると思うんです。
んで、そういうコントを量産してる人たちを見てると、「何でこんなの思いつけるんだろう」とか「どういう考え方してるんだろう」って、ブレーンへの興味が湧いてきて、でも結局そんなの分からずじまいだから、いつまでもとめどなく追いかけ続けるハメになるわけです。
で、それでいうと、オリラジってすっごい分かりやすいんですよ!
今回だって、応援団のコントなら慎吾くんのチャラ芸そのものだし、めんめけなら田舎出身の慎吾くんプラスこないだの離島ロケなんだろうなって感じだし、瀧沢廉太郎は過去のあっちゃんそのもの。
もっとも、最後のに関しては、まさかの「誇張無しのソノモノ」だとわかっていたのは、ゲスト出演してくれた弟のFISHBOYさんだけでしたが。
だけど、そこで思ったのは、「そんなのも、あんがい悪くないんじゃない?」ってこと。
ミステリアスなものに心惹かれる気持ちって確かにあるし、それってすごい強力なパワーなんだけど、オリラジに関してはもっと「サイエンス」的な面白さだよね!って!
そう、オリエンタルラジオはサイエンスなの!
「仕事ハッケン伝で爪痕残せたあっちゃん」+「相方の慎吾」+「トークライブ」= ?
とか、
「チャラ男で再ブレイクした慎吾くん」×「策士敦彦」×「単独ライブ」= ?
みたいなね。
テレビで活躍してるのみるたびに「これどう無限大でしゃべってくれるんだろー?」って思うし、ライブで新しい戦略聞くたびに「それどうネタに仕上げてくるんだろ?」ってワクワクしちゃう。
そんな、化学反応を楽しむみたいな面白さが、オリラジ見てるといつもある。
化学だけならケミストリーだけど、それだけじゃなくて「オリラジどう進化するんだろ?」みたいな思いもあるから、サイエンス。
考えてみればさ、「オリエンタルラジオ」というコンビ名自体がそういうとこあるよね!
検索で一個もヒットしなかったただの単語の寄せ集めが、いつしか唯一無二の価値を持つ。
私たちは、その瞬間を日々目撃しているわけです。
……とまあ御託は置いといて、お楽しみ会の話に戻る。
なんか、しがらみがなくて良かったなあ、というのが、一日たった今の感想です。
なーんにもとらわれずに、「おれたち今これ楽しいからこれやるんだ!」って感じで、それが客席のこっちにまで「楽しい!」って伝わってくるのがたまらんかったです。
んでね、その「楽しい」の材料が豪華なの。
あっちゃんの弟でもあるプロダンサーのfishboyさんも出てきたし、慎吾くんのお兄さんもVTRだけど登場したし。
あと、バックダンサー役で出てきてくれた世界的ダンサーたちを黒子役としても出しちゃうっていうね!モブの動きが機敏すぎて笑ったわ!
よしもとオンライン時代からお馴染みの久嬢由起子お姉さんまで、なんとなんとの高校生役で登場してくれたときには、制服姿のあまりの違和感のなさに思わず二度見しました。
(じょーくーは二人の一歳上…つまり32歳?)
……そんな感じかなあ。
まだまだ言い足りないことある気がするけど、とりあえず、こんな感じで思いっきり楽しんだよ!っという感想でした。
ライブ中は楽しかっただけなんだけど、最後にちょっぴりしんみりしてしまったのは、エンディングトークのあっちゃんの言葉。
「キャパシティもちっさいし、DVDにもならないし、お金でいったらただの赤字。つまり、今ここにいる昼夜合わせて400人のお客さんが楽しんでくれたかどうかっていう、それだけ!」
もちろん、最後の弟くんの言も忘れちゃならない。最後のコントでは、あっちゃん扮する勉強サイボーグ高校生に、ダンスを教えて未知なる才能を開花させる、「似てない弟」役だったんだよね。
「あれ、誇張無しの高校時代の兄貴そのものですから。
あの時助けてあげられなかったから、今日は助けられてよかった」
とっても今回の単独が楽しかったという二人、四月からの芸歴十年目のうちに、またそういう記念のライブをやりたいと言ってくれました。
早くその日が来ないかな。今から、楽しみ。
今度こそ、見たい人全部が集えるライブになりますように、と思いを込めつつ、待ちたいです。
前回単独はこんなに漫才だったのに……!