ライストークライブ(単独ライブ「カヴィ」)
12/1/29 20:00~ 恵比寿・エコー劇場
出演:ライス
単独ライブ2公演が終わってすぐのトークライブ。
単独を二回やることも初めてなら、こんな風に終わったあとにすぐトークライブがあるのも初めてだったそうで。
「何話せばいいんですかね?」
「事前アンケートとかとればよかったね!」
そんなことを二人は言っていました。
つらつらと思い出した順に。
まずは、単独中に関町さんがやらかしたことについて。
「お前さーほんともう!」(仁)
夜の部の、自殺を促すコントのとき。屋上の手すりを乗り越えようとした関町さんのお尻から「びりっ」という嫌な音が……私目の前の席だったのですが、ものの見事にやぶけてました(笑)
「俺最初気づかなくってね、でもお客さんがすごいくすくす笑うでしょ。お前わざとじゃないの?昨日の晩ぜったいズボンに切り込みいれといただろ」(仁)
「わざとじゃない。わざとならもっと自然な流れでやりますよ」(関町)
そもそもわざとやることがあるってとこに問題が。
「そのまま飛び降りようかと思いましたよ」(関町)
自殺のコントだけにね。
「んで夜だけじゃないからね、昼もだよ!」(仁)
昼のときは刑事のコントのときにボタンを掛け違えてたんだよね。
最初、ソーシャルウィンドウを疑い、違ったけど下を向くと笑いが起きるってとこで気づいたそう。
「俺最初自分かと思ったもん。すごい笑ってるから、もう開いてんじゃなくて出ちゃってんだと思った」(仁)
あ、関町さんの新しい髪型(キノコ)の話も。
「正直、びっくりした。単独直前にいきなりあんな髪型してくんな」(仁)
「俺も驚いたんだよ。バースの近ちゃんと行ってさ、近ちゃんがツイッターに写真上げたんだよ」(関町)
そしたらそれがなんか『話題の写真』の9位かなんかはいっちゃったらしくて、地元の友達から連絡がきたそうです……「なんかツイッター開いたらお前がいたんだけど!」(笑)
「でもね、賛否両論なんですよ。かわいいって人もいれば、違う人もいて。お前は?」(関町)
「まあ……おれは……いいと……おもう」(仁)w
ふてぶて(笑) でも案外役柄を選ばない髪型でよいね、と。
今回も刑事のコント以外はうまくいったようで。
ほかネタの話。
「排便」のコントができたことに達成感あふれてる仁さん。
「これね、ビリンバウのときからあたためてたんです!」(仁)
クソコントあたためるんじゃねえよ(笑)
ま、とにかくビリンバウでもコモクでも香盤表に一度は載ったこのコントなのですが、やっぱりどうしてもこわくなっちゃって直前で降ろしたそう。
「いやーでもね、まあ笑いが起きるってコントじゃないからね」
「そうだよね、ドキュメンタリー的な」
「映画的な」
「もう、ディスカバリーTVでも見てる気持ちでみていただければ」
いやもう出す機会ないとおもう。
他にもいろいろ。
「ああ、一個アンケート読んだ中であったのが、『キリシマと奥方』のコントが意味わかりませんでしたってやつ」(仁)
「(苦笑)」(関町)
「一個いっちゃうとね、このコント関町が書いたんです」(仁)
会場どよめき。そりゃそうだよ、関町さんってネタ書かない人だもの。
といっても、初回と二回目の単独では彼もネタ書いたのかな。しかも初単独のときはけっこう評判よかったそうな。囲碁将棋の根建さんが絶賛してたという話。
でもそれで期待されちゃったんだけど、二回目はもう全然だめで、俺もうネタ書かないってなったって聞いた。
でもね、一回だけ関町さんその根建さんとピンネタライブやったことがあって、そこではもちろん自分でネタ書いて出演してたんだけど、そのコントはとてもとてもよかったんだよ。
「あのコントではキャラクターがやりたかったんです」(関町)
「ああ、奥方ともう一人なんだっけ、『おっさん』?……おっさんってなんだよ!」(仁)
色気あふれる奥方かと思ってたら実はおっさんでしたーっていう展開なんだけどね。
「役名とかなく『おっさん』ってどういうこと?」(仁)
「あれはみなさんの心の中にある『おっさん』を表現してるんです」(関町)
ライスはなかなかキャラづけしてキャラを入れてやるネタがないので、今回やってみたかった。んで、やってみたらけっこうおもしろかったしうまくいったような気がします、と。
「これでキャラもできることがわかったから、2012年のライスはもっと進化しますよ!」
あと今回これは外せないでしょうって仕掛けの話。もちろんしてました。
「僕ね、今回リベンジしたいことが一つだけあったんです」(仁)
そういって語りだした仁さん。関町さんは、ん?って感じでうなずく。
「前回の単独ライブ『コモク』、あれでちょっとした仕掛け用意したんです。小道具でつり下がってる、コント中の店名を書いた看板が、途中の映像を見ると実はライブタイトルにも見えるようになってましたーってやつ。別に仕掛けってほどでもないですよ。小道具だけど、ちょっとおおってなるなって感じの」
確かにありました。たしかに、おおってなった。
「でも最後のアンケートにあったんですよ、『私最初っから「コモク」にしか見えなかったからなんだこれって感じでした』っていう感想がね!それでね、絶対今回リベンジしてやろうと!」
別にそんな闘志もやさなくてもw たのしいけど。
「だから今回、ライブ全体を通して、あるものを隠したんです。気づく人だけ気づけって。気づかれたら俺の負けだぞって」
「あのー……饒舌に語ってますけど、そのライブに出ていた俺がぽかんなんですけど大丈夫?」(関町)w
「もうこうなったら絶対ばれちゃいけないもの隠そうと!だから言っちゃいますよ、今回のライブには正真正銘本物の、関町の携帯番号が隠れてます!」(仁)
「おいおまえ!!!おまえ!!!!!は!!!!????」(関町)
種明かし。
オープニング映像がジャングルブックみたいな絵本風で、たまに吹き出しにローマ字の文章っぽいものが入ってる。すばやすぎて読めないのだけど。
意訳。「今回のライブ中、コントとコントの間に映し出されるスライドの文章にそれぞれ数字が隠されていて、その数字をすべて順番通りつなげると、関町さんの携帯番号になります。KUTABARE SEKIMACHI!」
「くたばれじゃねーよ!なんだよあのポーズ!ふざけんなよ!じぶんのにしろよ!」
「はっははっあはっ」
「なんだよまじふざけんなよ、大体あの絵本だって俺が神保町で適当に拾ってきたやつじゃねーかよ!いつどこでどうやってそうなんだよ!」
コント間のスライドってのは、直前のコントの「脚注」って形でコントに出てきた物とか出来事の説明をしてるもの。しかもその脚注で表現されたものがラストコントのオチに活用されてるってんだから、もうどこから何をどうしたのやら。
ちなみに仁さん、戦いには見事敗れ、関町さんの携帯にはその時点ですでに謎の着信が三件入っておりましたw
二回公演だったってことを差し引いても、一回目が終わった時点での一件の着信、その人はほんとに田所さんに勝っちゃったよね。すごいな。
「もう次はできませんよ。みなさん探しながら見るでしょ。今回はこんな風にネタばらしの機会もあったし、ってことで」(仁)
しかしお見事だとおもいます。
単独前のお話も。
「みなさん知らないと思いますけどね、仁って単独の一週間前から禁煙するんですよ」(関町)
理由は喉つぶしちゃうとやだから。
でも、禁煙してる仁さんはほんと機嫌が悪くなるから関町さんは嫌。
「もうタバコのことしか考えてない。単独前で、ネタ詰まってない時でもタバコしか考えらんなくなる。数日前で、ラストの詰めやろうってお前とカフェいって数時間俺黙りっぱなしだったとかあるでしょ」(仁)
「うん。ああ頭ん中でなんか発想膨らんでんのかなとか思ってた」(関町)
「ううん、ぜんっぜん。ぜーんぶ、タバコだけ」
そんでだから、関町さんがじゃあタバコやめないほうがいいよーって言って、でもそうすると仁さんが「タバコやめてるとき超体調いい寝起きいい」って言って、関町さんがじゃあやめればーって言って、なんというか自分勝手なことばっか言ってるのは仁さんのほうなのに、
「なんだよお前やめるなって言ったりやめろって言ったり!」
って逆切れしてておもしろかった。関町さんも私もにやにや。
会場の話もしていたな。二人はけっこうエコーがお気に入りのようでした。
恵比寿凱旋の話はしてなかったけどね。
でも、やっぱり今回狭いっていろんな人に言われたみたいで気になってるようで、
「前回品川だったけど、後ろの人に小道具が見えなくってそれもやりにくかったし」
「狭いところで何回かやればいいのかな?」
一回一週間やってみるー?とか言ってたけどそれはやっぱり嫌だそうで却下。
会場、難しいねえ。エコーなら北沢タウンホールのほうがいいよ。
もうチケット取りに神経すりへらしたくない……。
草月とかじゃできないのかなあ。客席使わなきゃどこでもよく見えると思うの。
あと、え、自覚してなかったの?って話も。
「今回はネタ数多めで」
「短いのが多くてね。全部で11本」
「で、なんとなく見てて思ったんだけど、『生と死』をテーマにしたネタが多いなあって」(仁)
そこを自覚していないということにとても驚いた。
私にとってライスの魅力とはまさにその部分だったからだ。
こういう言い方すると嫌がられるのかもしれないけど、ライスは「死」を、とてもリアリティをもって描いていると思う。「死」という誰にとっても必要で、身近で、切り離すことのできないテーマを、色んな角度から現実感をもって表現している。
誰もに平等におとずれるものだからこそ、それにはいろんな形があるし、刑事のコントみたいに笑える死もあれば、「お日柄もよく」みたいに、どうしたって忘れられなくって後悔しか残さないようなものもある。チャーリーやシロッペみたいにコミックナイズされたファンタジーの中にも存在するし、「サッカーと戦争」みたいに大きな物語に取り込まれてしまったものだって、もちろん、ある。
そこが、ある種の人の心を、とても揺さぶるんじゃないか。
まあそんなことは置いといて、今回のネタで一番「生と死」が濃かったのが、「カヴィ」のネタかなって。サイレントコントである男性の人生を切り取るってやつね。
「あれね、もっとさらっとやってオチに持ってくつもりだったのに、結局なんだっけ、9分もやってたの」(仁)
このコントよかったな。なんで胸あんなぐってつかまれるんだろう。苦しくなる。
今回の単独の特徴に関しては、関町さんはまた別の意見で。
「俺は今回女装が多かった」
「ああ、俺たち女装あんまりないもんね。今まで1、2本?」
ちょっとそれ聞いて、わりと女装のイメージあったからびっくりしたんだけど、本人たちいわく女装すると嫌な笑いが起きるからあんまりしたくないのだと。
「全然、ただ女だっていう設定にしたくて女装してるのに、出オチみたいになっちゃう」
「ヅラとかかぶると最悪。もう俺自分でも面白いもん、ヅラだけは」(仁)
「俺女装のネタのときは仁の顔みないようにしてる」(関町)
なるほど、そんくらい面白いから女装のイメージ強かったのか……
というわけで、トークライブでしゃべってたのはこんくらい。
ぽんぽんしゃべってたのでおーって思ってしまった。楽しかったです。
あーたのしかったなー。
インド象!ネコオットセイ!プレーリードッグ!すこぶるすこぶる!
次回の単独ライブもとてもとてもとても楽しみにしています。
今度は絶対もっともっとお友達つれてくんだから、そうできるような形に!だれか!
聞きかじった話ですが、終わったあとにスタッフさんらしき人たちがちょこちょこ「おもしろかった」とか「ライスにはこっちの方向でいかせてやりたい」みたいなことをおっしゃってたそうで、あーもうべつに一般人だとしてもうれしい。
これからに対する二人の前向き発言もたくさん聞けて、あーなんだろうライスに関してこんなポジティブになれる日がくるだなんて……
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