10/11/11 劇団乙女少年団『ピンクの指輪ちゃん』

 劇団乙女少年団 第十一回公演 『ピンクの指輪ちゃん』
 10/11/11 19:00~ 新宿FACE
 作・演出:カリカ 家城
 出演:ライス 関町/パンサー 向井/かたつむり 林/デッカチャン/ピクニック/オコチャ/畑中しんじろう/ジャングルポケット 斎藤/グランジ 五明/パンサー 菅/[エキストラ]グランジ 遠山/グランジ 大/パンサー 尾形/ライス 田所/ジャングルポケット 太田/ジャングルポケット 武山/[ゲスト]カナリア 安達

夢のような二時間半。新宿FACEが秘密の花園。
ちょっとすごい舞台でした。乙女メンって劇団名ってこういうことだったのね、みたいな。いやそれ以上の何かだな。どこを書けばうまく伝えられるんだろう。難しい。
主人公はパンサー菅さんとライス関町さんのダブルキャストでした。厳しいお父さん(グランジ五明さん)の元で育った菅さんは、実は女の子になりたいって願望を抱いてる。でも父親は暴力的なまでに彼につらくあたる人で、もちろんそのような夢も、それこそ夢のまた夢。
しかしそんな父親が亡くなってしまった日、彼をある男が迎えに現れる。それが、ホワイトローズことジャンポケ斎藤さん。最初は警戒する菅さんだけど、ついに誘いに乗る。
「女の子にならないか?君はきれいな、女の子になれるんだ!」
女の子に変身した彼、関町さんを迎え入れたのが五人の仲間、スミレことかたつむり林さん、ランちゃんことピクニックさん、チューリップことデッカチャン、ガーベラことパンサー向井さん、あとタンポポことオコチャさん。
リーダーであるホワイトローズから、特別なはずの「ピンクローズ」という名前をもらってしまった関町さんは、それでも彼ら?彼女ら?に快く迎え入れられ、自分がこれからする仕事を知る。
「私たちはね……、殺し屋、よ」
最初は躊躇したピンクローズも、しだいに殺し屋の仕事に慣れていく。そしてしだいに、自分をこの世界へ誘い出したホワイトローズへの愛を深めていく。しかし事態は複雑な展開を見せる。ホワイトローズが彼女を連れ出した理由、彼女の父親の本当の姿、父親とホワイトローズの裏切りにも似た関係、殺し屋集団の真のボス、そして彼女に迫る命の危機。オカマとしてのアイデンティティ、父親との確執、何よりホワイトローズとの愛の狭間で彼女が悩み、そして見出した結論。
……そんなお話。
とってもきれいだったんですよ、何がって何とはいえないんだけど、例えば、スミレさんとキク(畑中しんちゃん)の二人だけのシーンとかね。
でもそんなのより何より一番ラストの二人のキスがとっても素敵だったってことに、お話のすばらしさがあるんじゃないかなって、そんなことを思いました。うん、素敵なものを見てきました。色々思い出すこともあるけれど、それはまたそのうち。
ピンクローズ(関町):「愛されたい愛されたい愛されたい!」
ホワイトローズ(斎藤):「君のことを愛してるんだ!」
ガーベラ(向井):「……なあに?」「オカマごっこはもうやめな。オカマに、失礼だ」
ラン(ピクニック):「私のせいだわ!」
スミレ(林):「オカマなら……踊りなさい!」
キク(畑中):「スミレさんのこと、尊敬してました!」
チューリップ(デッカ):「最後に重い設定つげられたー!!」
タンポポ(オコチャ):「バーカバーカバーカ!!」