東京シュール5 田所仁とお正月
2010/1/3 18:00~ シアターサンモール
出演:カリカ/犬の心/しずる/ライス/かたつむり林
ちょっとでも油断すると田所仁を褒め殺ししそうなので、かわりに田所プロデュースを全力でレポしたいと思います。
今世紀最大の疑心暗鬼ショーでした。
気を抜くと「今年、もうこれでおしまいでいいや」って言いそうになりますw
……大丈夫かな?
今年まだ始まって三日だよね?
これより面白いライブを見られる2010年なら、言うことなしなんだから良いよね!
ライブの内容
オープニング
田所以外の8人が登場。
劇調で、
「ここどこ?」
「何させられるの?」
不安げな中、マイクで田所の声、と思ったらご本人登場。
スーツがでかすぎ(笑)
「ここは地下闘技場だ。お前らにはこれから、今回のシュール5公演のギャラ争奪戦をしてもらう」(仁)
「えー?また今年も戦わされるの?」(家城)
「全員が仲良く円満に終わる方法はないんですか?」(押見)
去年の「裏切り者は誰だ?(みたいなことやったらしいですね)」を知ってるからか、若干やる気なさげなメンバーたちw
無視して「質問は認めん!」「ファックユー!」などキャラをふわっふわさせながら説明する田所さん。
いくつかのゲームを行い、最後に決まった優勝者一人がギャラをもらえるしくみ。
最初の手持ちは1枚1000円のチップが10枚ずつ、1万円から。
優勝者の持ってるチップが少なすぎた場合は、ギャラ総取りの特別戦もあり。
というわけで、ゲームスタート。
第一ステージ『7カード』…トランプゲーム
ルール
- 各自の手札は1~6の6枚
- 対戦相手を指名し、一対一で対戦
- それぞれ1枚のカードを出し、出した数の大きかった方が勝ち
- 特例で、出した数の合計が7のときは、出した数の小さかった方が勝ち
- 出したカードは使い捨てで、対戦した二人しか見ることができない
- 「○○がどのカードを持ってる」などの情報を他人に売っても良い
- 負けた人は勝った人にチップ2枚を渡す。
- 残りチップが2枚になるか、手持ちカードがなくなった時点で終了
最初にメンバーには、1~6の手札と情報整理用のメモ帳が渡される。
「ほほう、なるほどね」
「嘘ついてもいいの?」
嘘はついても良いと。
他人のカードを盗み見するのもアリ、油断するほうが悪い。
ボードが置かれ、お客さんは誰がどのカードを持ってるか分かる仕組み。
最初2~3戦は様子見の感じ。
しかし裏では色々と交渉がスタート。
押見さんと家城さんが組み、池田さんと池谷さんが組んだ。
カリカ林さんと関町さんが組むかと思いきや、林さんは情報だけ聞いて関町を裏切るw
そこから林さんは単独プレイ。
裏切られた関町さんは躍起になって、早々に手持ちチップが4枚w
このあたりで関町さんと焦った村上、かたつむり林が組む。
カリカ林さんは、冷静な分析と運が手伝って一人勝ち。
関町さんのチップがほぼ林さんのところに移動した格好。
結果
- 村上△ = かたつむり林◎
- 関町× ⇔ カリカ林◎
- 押見○ = 家城○
- 池谷○ = 池田○
(枚数覚えてないんで大体で。=は同盟、⇔は宿敵)
第二ステージ『裏切り者は誰だ?』…○×ゲーム
ルール
- 4人がプレーヤー、4人が裏切り者
- ゲーム前、一人一枚ずつずつ紙が配られる。
プレーヤーの物は白紙だが、裏切り者の物にはこれから出される○×ゲームの正答が書いてある - 紙を他のメンバーに見せてはいけない
- 8人全員で10分議論し、○×ゲームの回答を一つに定めてもらう
- それが正答だったらプレーヤーの勝ち、誤答に導けたら裏切り者の勝ち
○×ゲームの問題は、誰も正答を知らなさそうなものに設定。
今回は、「世界で初めて、エベレスト登頂を実況中継したのは日本テレビである。○か×か」。
喋った人及びその内容と、プレイヤー・裏切り者どちらの立場にいたか、について。
- 裏・カリカ林「答え知ってる気がする。テレビで見たんだけど正確に覚えてない」
- 裏・池谷「オレも知ってると思う。たしかに映像は見たけど日テレの確証がない」
- プ・村上「こういう問題って、『答え知らなくても聞き方でわかる』ってありますよね。ここまで具体的だと○な気がする」
- プ・池田「(村上に乗っかって)絶対○だよ!」
- プ・関町「○だと思う」
- プ・かたつむり林「わかんない」
- 裏・家城「わかんない」
- 裏・押見「わかんない(特に最初はほとんど喋ってない)」
※プレイヤーは正答がどちらか知りません
※裏切り者は正答を知っており、誤答に導こうとしています
プレイヤーの四人(村上、池田、関町、か林)はけっこう「○だよ!」と強い意見を言うのに対し、裏切り者のカ林、池谷は「思い出せないんだよなあ」とふわふわ。
そうこうしてるうちに時間が。
どうやって決めよう?という話に。
まあ多数決しかないんだけど、多数決をそのまま結果にするか、後に意見を聞くかどうかでひと悶着。
でも決着がつかないまま、なんとなく多数決をとってしまうことに。
結果、
- ○…関町のみ
- ×…残り7人
○勢が裏切るこの展開にみんな大パニック。
ちょっと終わった今の頭で冷静に分析してみましょう。
「プレーヤーは正答を知らないわけだから○×わりと平等に分かれるのに対し、裏切り者たちは誤答に導きたいわけだからみんな誤答をさす」
↓
「どう考えても×が誤答」
で、家城さんも同じところまで考えは行き着いたんでしょうね、そして叫んだ。
「どうしよう!でもこの展開まで裏切り者が予測してたとしたら、答えどっちだかわかんないよ!」
家城さんの叫びを解釈するとこういうこと、
「多数決をとって×が多いからといって、裏切り者が誤答を選んでるとは限らない。その後の会議で『×が多いってことは裏切り者が全員×を選んだってことだから、○が正答だ!』ってなることを予測してあえて今×を選んでるって可能性がある」
結局わやくちゃしてる間に、『×』のままボードは仁さんに渡り、裏切り者が勝利しました。
裏切り者は、村上、かたつむり林、池谷、カリカ林の4人。
「オレ絶対池谷裏切り者だと思ったんだよ!あんな普段積極的にしゃべるわけねーもん!」(押見)
みなさん、池田さんがただのプレーヤーだったことにはびっくりしていた様子。
第三ステージ『花とナイフ』…チキンゲーム
「みなさん、今までのゲームで、『こいつ信頼できるな』って思った人とペアを組んでください」
今回はいきなりそういう指令からスタート。
結果。
- 池谷-池田
- 村上-かた林
- 家城-押見(余りものペア)
- 関町-カリカ林
ルール
- ペアどうしで向かい合い、それぞれ右手にナイフ、左手に花を持ちます
- 目をつむり、同時に左手の花を前に出します
- 二人とも花を出せば、二人で仲良く決勝に進めます
- 裏切られてナイフで刺された人は、ゲーム脱落です
- 二人とも裏切れば、二人でゲーム脱落です
- 脱落者のチップは決勝進出者に分配されます
- チップのやり取りで信用を買っても構いません
初戦は池谷VS池田。
お互い信用してるといいつつ、池谷さんは池田さんにチップを2枚渡す。
目をつぶり、「せーの」と二人で掛け声を合わせ、出したのは二人とも花。
村上さんとかた林さんも同じ結果に。
次の家城VS押見がすごかった。
家城さんの人信じられない具合がすごい。
「オレ去年のこれからずっと人間不信だもん」
こわがる二人、見守るお客さん。
家城さんはこのゲームの概要を聞いてから、池田さんと組んで池田さんを刺したくてしかたなかったそう。
去年ひどい目にあったから。
結果は二人とも花を出し、よかったというほかない。
そしてラストの関町VSカリカ林。
今まで花しか出てない本ゲーム、ラスト一戦に注目が集まる。
残りチップが一枚しかない関町さん、林さんにチップ6枚を要求。
あっさり渡す林さん。
これで交渉成立で万事円満かと思いきや、よく考えると、林さんはチップをもらわれただけなのだから、関町さんを刺さない理由が全くない。
結果、このペアのみ、お互いを刺し合う泥沼の展開に。
チップをもらってなお刺さずにはいられなかった関町さんへ、疑問罵倒様々な声がとぶ。
決勝戦『コマ投げ』
「お正月だし、一つくらいお正月らしいゲームをやろう。コマを投げて箱に入れるだけの簡単なゲームだ」(仁)
ゲームオーバーしたカリカ林さんと関町さんのチップは他の人に分配され、全員10枚以上持っている状態。
「まず最初に、チップを何枚捨てるか決めろ。捨てた枚数分だけ、箱に近づくことができる」(仁)
一枚も捨てなければ、箱までの距離は舞台の端から端くらい。
10枚捨てれば、箱の真上から落とせる。
「最後の一人になるまで続ける。優勝賞金は、最後勝ち抜いていた人が持っているチップの枚数で決まるからな」
案外全員、かなりの安全策でスタート。
しかし手持ちのチップはどんどんなくなり、枚数の少なかった人から落ちていく。
手持ちの多かったかたつむり林、怒涛の精神力で勝ち抜いた家城が最終決戦へ。
舞台の端から投げたコマが、最後に箱へと放物線を描いたのは、家城のコマ。
家城さん、見事優勝。
しかし手元に残ったチップは一枚きり。
このままでは優勝賞金たったの1000円。
ギャラ総取り特別戦
最初の提案により、ギャラ総取りの特別戦開始。
ルールは先ほどよりもさらにシンプルで、田所さんとのジャンケンに勝てば良いだけ。
しかし条件つき。
- パーで勝てば全額(80000円)
- グーで勝てば半額(40000円)
- チョキで勝てば1/3(約26000円)
- 負ければ0円
「俺は全額渡すのは惜しい。半額渡すのも惜しい。1/3ならまあ良い。
ということは、俺はパーを出す確率がとても高いということだ。勝つかアイコになるからな」
家城さん相手に揺さぶりをかける田所さん。
何も言わない家城さん。
そして、ついにジャンケン。
パーで家城さん勝利。見事8万円を獲得。
これにて幕切れ。
感想
2時間半の大舞台でした。
全てを消耗しきった感でもう……(笑)
舞台中も終わってからも、しばらくため息が止まりませんでした。
私、シュール5が好きなんじゃなくて田所さんが好きだったんだな、って再確認しました。
ずっと見たいと願ってやまなかった、「頭の中見たい!」と色んな人に言わしめた田所さんを見ることができて、心底嬉しかったです。
ほぼ一年越しに叶った夢でした。
つらつらと感想みたいなものを。
まず最初。
みんな仁さんの設定に乗ってあげてる風ではあったんだけど、田所さんの口調がぶれたり噛んだりするたびにツッコミとニヤニヤ笑いは入ってましたw
一回、池谷さんと村上さんが顔見合わせて本気でゲラゲラ笑い出したので何かと思ったら、
「今大事故が起こりましたよ!仁くんがテーブルに手をつこうとしたのに、届かなくてよろっと」
「自分の手の短さ認識してくださいねー」w
その後2回くらい、カリカ林さんがその真似をして仁くんをからかってくれましたw
あーもうあの瞬間が一番楽しかった!(その後は精神的にしんどかった)
トランプゲームはシンプルに見えて、お客さんもめっちゃ頭使って楽しめる見世物用のゲームでした。
カリカ林さんがどこまでカードを知っててどのくらい推理で埋めてったのか気になります。
関町さんから最初2連チャンくらいで情報を奪い取った後は、覗きとかはしてたけど、単独行動に見えました。
このゲームだけで言語遊戯王のごとく、一つライブできる気がしますw
その後につながる展開がないと、組んで戦うメリットなんかが生まれにくいので、難しいのかもしれないけど。
あと普段の仲の良さも一つ要素になりそうですね。
村上純が最後の一枚のカードを見せびらかしていなかったら逆転は生まれたのだろうか。
次の裏切り者ゲームは、田所さん自身が、「正直、これを思いついたときは嬉しかった」と言ってました。
ルールに気づいてさえしまえば、二度とできないゲームかと思ったけれど、家城さんが言ってたみたいな可能性もあるから、難しいですね。
できるかもしれない。
初っ端から押見さんが全く喋らなかったので、ああこの人はプレーヤーだな、と思いました。
押見さんのように池谷さんには気づけなかった。
多数決で×が7人の瞬間は、しずるの二人を疑いました。
池田さんじゃなくてかたつむり林さんだったとは。
全く読めなかった。
頭脳レベルが要求されるゲームだよなあ。
オリラジあっちゃんとか出てきたらどうなるんだろ。と思ったりした。
花とナイフはただのチキンゲームでしたが、こう心理を丸見えにされるとここまでドキドキするものか!と。
ライス二人に対戦してほしいなとか今思いました。
やーほんとに息をのんだ。思い出しても苦しかった!
関町さんの活躍には、このためにチップ一枚まで自分を貶めたのかい?と尋ねたくなりました。
ここまで台本なんてないですよね?
決勝戦や特別戦まで心理攻撃使ってくるってのには、もう感服です。
徹底的に打ちのめされました。
ラスト家城さんが勝利した瞬間には、もうどうしたらいいかわからなくなりました。
田所さんはどこまでシナリオえがいてたの?
ゲームが一つ終わるたびに、芸人さんたちはわちゃわちゃと話をはじめ、田所さんにたしなめられるたびに、「こんなのやったらしばらく休憩置かないと次いけないよ!」と言ってました。
ひどい。とても良い意味で、ひどすぎる。
田所仁に一生ついてく決意をしました。
後悔はしない!